夏休みも残りわずかになりましたね。宿題に追われている親子もいるかもしれません。
夏休み明け 9月1,2日 は子どもの自殺が一年でいちばん多い日と言われています。
ここでいじめについても考えてみませんか?
私は1冊本を読みました……マンガだけど。
母親の苦悩
今回読んだ本はこちら。
『この星のぬくもり 自閉症児のみつめる世界』
著者:曽根富美子
マンガなのでさらっと30分くらいで読めました。(^-^)
出版は平成9年と古い本なのですが、自閉症と診断された女の子の成長を描いています。
その独特な感じ方・考え方や、それにより周りに理解されずひどい扱いをされる現実を思い知らされます。
主人公、愛理ちゃんの誕生〜中学生までをメインに描かれています。
愛理ちゃんは4歳で自閉症と診断されます。
私が読んだ感じですとADHDの傾向もあるような気がしました。(多動があり衝動性を抑えられない、といった特性もかかれています。)
母親は子育てに悩み、周りに頭を下げる日々でした。
赤ちゃんのころから泣かない、感情がでない、目を離すとどこかへ走っていってしまう、お友だちへの他害、、
あぁもう感情移入してしまう。なんでだろう?なんでこの子は……毎日そう思っていた日々が思い出されます。
自閉症児 本人がどう感じているか
この本では自閉症児がどう感じていたかも描かれています。
人の顔の区別がつかなかった
愛情を理解できなかった
母親を認識していなかった、母親の存在の意味もさっぱりわからなかった
(……こんな切ないこと、あります?? でもそれが自閉症の人の捉え方なんですよね。)
私はワタシの世界にいるのが安心できる
定位置にあったものが移動されると、世界が壊される!
幼稚園でははげしい騒音、うごきまわり叫ぶ物体(お友だち)に恐怖で逃げまどう
こうやって感じていたのか!?と知ることができました。
よき理解者のいる療育では、愛理ちゃんは叱られることなくリラックスして瞳をキラキラさせていました。
でも集団行動を強制させる幼稚園では虚ろな目をし家ではぐったり横たわるのでした。
どちらも親が考えて、子どものためを思い選んでいるのに。
今の自分にも痛烈にはね返ってきます。
理解のある環境でその子にあった指導をするのがいかに大事なことなのか。
理解なき学校生活
小学校にあがるともっと辛い日々が待っていました。
担任に診断のことを話しても、知能は高いので普通級にはいり「内向的で神経質なお子さん」という位置づけにされ、どんなに困っていても上辺でしか見てもらえませんでした。
クラスメイトは愛理ちゃん特有の反応をだんだん嫌うようになりいじめが始まりました。子どもたちは成長し、愛理ちゃんが悪者になるように仕向けたり先生の目を盗んでおこなうようになるのです。
皮肉にも愛理ちゃんは人の感情・表情を、いじめるクラスメイトたちの顔から学んでいくのです……
もう母親としては胸が締めつけられて辛いです。
今はこの頃よりもずっと「発達障害」について世間へ知られるようになりましたし、先生も知識を持っている方が増えています。
なので理解のある方に協力を求めれば、ここまでひどい状態は回避できるかもしれません。
ただ、子どもは素直で残酷です。
自分たちと違う友だちを受け入れてくれるか??
母親でさえ扱い方がわからず悩むような子とうまくやっていけるなんて難しいのかも……。
子どもがどう感じているか
学校でどんなことが起こりうるか
これらを知ることができます。読むのが辛い場面もありますが反面教師として知っておくのも大事だと思います。
あとがきにも響く言葉
この本のモデルとなった森口奈緒美さんがあとがきを書かれています。
そのなかで印象に残ったのが「高機能およびアスペルガーの自閉症者の8割が学校でいじめにあったことがあり「災いを見たら身を隠す」勇気と行動も必要」とありました。
そして最後にこの文。涙が止まらなくなってしまいました。
「自閉症の子を持った今までのお母さんの多くは、使い切れてザラザラに荒れた、深いアカギレのように心が傷ついています。哀れみではなく、どうか優しく擦っ下さいませんか。」
子どもへの悩みは尽きず、子どもの心を知りたいと思っているママさんたちへぜひ読んでほしいです。
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