今回はNHKあさイチの『学習障害 』について 後編です。
『読み書きが苦手……ディスレクシア』についてと、支援方法や見きわめ方などをまとめます。
前半では学習障害とはどんなものか?についてまとめました。
その子にあわせた学習方法を
ディスレクシアは読み書きができないのではない、読み書きにとても時間がかかるのです。
勉強方法や表示の工夫をすればできることも増えていくのです。
ディスレクシアの子に読み書きを教える方法
支援学級などでは、文字を書かずに楽しく勉強できる方法も取り入れています。
・文字と音を一致させる練習
・漢字の"へん と 作り"をくっつけて漢字をつくる


↑ プラ板に書かれた"へんとつくり"を組み合わせて正しい漢字を完成させる
読みが苦手な子には、1行ずつ見える枠を用いて読みやすく工夫もありました。
タブレットをつかって学習
使用するのはノートでもタブレットでもOK。
東京都渋谷区では東京大学先進科学技術研究センターと連携して、学習障害のある子を支援する取り組みをおこなっているそうです。
タブレットなら見やすい画面・フォントにカスタマイズできる!
なにより良いことは"みんなといっしょに"勉強できることです。書くのが苦手な子も方法さえ変えれば、自分もいっしょにできる、という自信につながり学習に積極的になる子もいます。
フォントやレイアウトを変えれば、みんなが読みやすい
ユニバーサルデザイン書体(UD書体)を使えば、読みやすい。
……弱視・ディスレクシアの方にも配慮した文字デザイン。


↑ 文字や数字の空間があいて見やすい。
文書のレイアウトにも配慮を。
左: ベース 右:改善したもの
・文頭を揃えて見やすく
・フォントを変えたり太字で強調
・項目ごとに分かりやすく


ディスレクシアに早く気がつくには
日頃から読み書きを練習しても上手くならない、自分の名前も書けない、何度やっても計算を間違えてしまうなど、高学年になっても小1〜2レベルの漢字や計算ができずに相談につながることが多いです。
ディスレクシアの人は 音の分解、統合 が苦手な場合があります。下記が苦手でなかなか上達しないような場合は少し気にして様子をみるとよいでしょう。
こういうことはできるかな?
・しりとり ができるか?・反対ことば(逆さまことば)
Q .「りんご」を逆さまに読むと?
A .「ごんり」・抜かしことば
Q.「あたま」から「た」を抜いて言うと?
A. 「あま」
注:これらの出来栄えだけでディスレクシアを判断できるわけではありません。必ず専門家の意見を聞くのが大事です。
ディスレクシアかも?!どこに相談したらいい?
まずは学校の先生の意見を聞く。担任だけでなく特別支援コーディネーターの先生にも相談し、そこから相談する先を拡げていけます。
学習障害は判断がむずかしいため、教員以外の見解も聞いてみるのも大事です。
そのほかの相談先
・教育委員会
・児童相談所(こども家庭センター)など
・発達障害支援センター
・特別支援教育士という方も全国に4800名もいらっしゃいます。(2017年4月現在)
特別支援教育士“Special Educational Needs Specialist”略称:S.E.N.S(センス)は、本協会が認定するLD・ADHD等のアセスメントと指導の専門資格です。
(下記URLより引用)
学習障害をただしく理解するために
視聴者からの質問です。
Q1:学習障害は治りますか?
A1:医療や教育現場では【18歳までに自立できる】ところをめざして支援していく。(脳の機能かかわるものなので、治るかどうかという見方をしない)
Q2:成長するにつれ学習障害が進行しないか不安
A2:進行はしません。成長していく中で、その人のもつ脳の機能があらわれくるもの。もともと苦手なのが勉強がすすむにつれ顕著になってくる。
最初に"障害"といわれると親も本人も受け入れられません。苦手なだけ!と頑なに拒否したくなります。
本人もみんなと違う、恥ずかしい、だから隠したいという思いを抱えてしまいがちです。
最初のサポートとして、
ひとりひとり 学び方が違う
だから、君には君の学び方をさがそう!
こういった導き方をすれば障害というレッテルをはらずに受け入れやすくなっていきます。
あなたはこれらが苦手、できない、といった大人の押しつけはよくありません。
本人が納得するよう見守っていくのが大事。
子どもが困ったときに、SOSを見逃さない、SOSを出しやすい関係、環境をつくっておくのが大人のできること、です。
これは発達障害にかぎらず、子育てすべてに通じることだと思います。
冷静に子どもをみる視点、親子の信頼を深めること、両方を持ち合わせたいものです。
さいごに
印象的で素晴らしいコメントがありましたので、ご紹介して終わりにします。
"バリアフリーって一般的になってきたけれど、
(発達障害などのような見た目では分からない障害の方への)
みんなの心のバリアフリーも広まっていくといい"
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お読みくださいましてありがとうございます。
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