雨上がりには虹が見えるよ ー軽度自閉っ子くんとの歩みー

発達障害 軽度の息子(小3)との日々を綴ります。こだわり特性など上手くやっていきたいな

「だいじょうぶ?」がこんなに嬉しい!!

今週のお題「私がブログを書きたくなるとき」

 

ふだんは発達障害児の子育てブログをしています。週末は子育てのほっこり話を書いたりしています。

発達障害のある方はコミュニケーションが苦手とよく言われます。
これはもう脳の発達によるものなのでどうしようないのですが、大人になるにつれ経験でそれをカバーできるようになる人もいるそうです。
それを私が初めて感じたときの話です。

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息子は言葉が出るのがおそくて、2歳半ごろから二語文が出はじめました。
そのころの私は発達障害というものを知らず、息子の独特な様子に?を感じながらも「子どもってこういう感じ?」と思ってきました。

このころ、よく思っていたこと。
"息子の視線が、、"
私はおっちょこちょいで、よく物を落としたりぶつかったりするのですが、そのたびに
「あぁーー!!」「痛ぁーい!」「しまったー!」と叫び声をあげます。
でも息子は言葉を話せません。
で、じぃーっと私を見つめているのです。
無表情で、ただ、じぃーっと見ているのです。

これってなかなか辛いものがありました。アハハと笑ったり、心配そうな顔をしたり、何かしらの反応があれば私も救われた気分になれたでしょうが。
芸人さんの"スベった"ときみたいな、シーンとした空気。
二人っきりの家、話すこともなく、ナニ考えているのかまったく分からない……。
しかたなく、ハハ……と苦笑いして、私は気持ちをきりかえるしかなく。

 

 

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テレビでの風邪薬のCMで見かけるシーン。
--お母さんは風邪気味? 調子が悪そう。
かわいい娘が駆け寄り「お母さん だいじょうぶ? はい、おくすり。」


ありがちな設定ですが"こういう気をつかうようなことをウチの子ができるのかな〜?"と漠然とした不安がありました。
発達障害の診断がおりて、2歳のころに感じた視線の違和感はこれだったのかな?と。
人の感情を読みとったりするのがニガテなので、私が痛がったり失敗して落ちこんだりするのにも反応がうすかったのかな?とか。

 

反応のない息子に、ずっと言っていたんです。
「だいじょうぶ?」って。
ウチの子、感覚統合ができておらず、バランスがものすごく悪かったのです。
2歳ごろまでつま先歩きをしていましたし、1〜2mくらい走ると大げさにコケる。何もない床でもズテッっとコケる。ただクルクル回る、目が回りそうなくらい。
テーブル、椅子、ドア、なんでもぶつかっていました。
そのたびに、心配して
「だいじょうぶ?」と。
頭をさすり、足をなで、抱き上げひざにのせて
「だいじょうぶ?よしよし、痛かったね。」と。
何千回、何万回やりました。メンドくさいときもありました。

ぶつかる度に「だいじょうぶ?」って言いました。
言葉をうながすために、見ていて知っていても聞きました。
「どうしたの? どこが いたいの? だいじょうぶ?」って。


そのうち、息子もだんだん言葉がでるようになってきました。言葉の不安はどんどん消えていきました。お話も上手になってきて会話らしくなっていきました。

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いつだっただろう?

私もいつものように何かに足をぶつけて、
「いっ痛ぁーー!!」と大声をはりあげたときです。

「だいじょうぶ?」

ソファの向こうで遊んでいた息子がキッチンのほうにいる私に向かって言ったのです。
え?

すごく痛かったけれど、痛みのせいじゃない涙がこみ上げて止まりませんでした。
たったひと言、心配してくれる言葉。

こんなに嬉しいことはありません。


普通はこうですよね。

お母さん 叫ぶ → どこか痛い →心配に思う
→「だいじょうぶ?」声をかける

たぶんね、息子はこう。

お母さん 叫ぶ
→ こういうときは「だいじょうぶ?」と言う(条件反射的な感じ)

 

何千回、何万回も母がくり返したことを覚えた、それだけかもしれません。
でも、こうやって周りが無意識でコミュニケーション取っていることを経験として学んだ、これは大きな進歩です。

最初のひと言がでると、そのあとはずっと言ってくれます。
私がドアに手をはさんでも、ハサミで指を切っても、鍋の水をひっくり返して水浸しでも。
どれだけアホなことしていても、
「だいじょうぶ?」と。一定の抑揚で。いつも同じ。

でもね、それ聞くたびに、胸がキュンとするんです。
"あぁ、この子は だいじょうぶ? が言える子なんだなー"って。

こんな些細なことが、すごく嬉しい。
母冥利に尽きます。

 

手間ひま惜しまず、ひとつずつ教えていくしかないんです。

こういうときは、ごめんなさい。こういうときは、ありがとう。
これをされるとイヤな気持ち。これをしてくれるとすごく嬉しい!と。

そして、それができるようになったとき、飛び上がるほどの悦びがやってきます。
こういう小っちゃい小っちゃい感動を積み重ねていくんです。

 

今日も「だいじょうぶ?」を噛みしめて、秋晴れを眺めることができました。

 

 

今週のお題「私がブログを書きたくなるとき」

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