雨上がりには虹が見えるよ ー軽度自閉っ子くんとの歩みー

発達障害 軽度の息子(小3)との日々を綴ります。こだわり特性など上手くやっていきたいな

原風景

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

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しばらく続いた秋雨がようやく止んで、うっすら陽の光が差し込みました。
今日は用事で家族でお出かけ、小ドライブです。
 
showは車が走り出してすぐに、あれ、あれー、となにかに気がつきました。
ながいよ、あれ みてー とせがまれて、窓を覗きこむと、
空に飛行機雲がかかっていました。車の窓枠を超えて、すーっと伸びる白い線。しかも3本目を描きながら点となって光る飛行機が飛んでいました。
 
街並みをかなり走っていくと、ふっと景色が切れ、みずいろときみどり色が一面に広がりました。
今度は稲田の中を抜けていきます。
見渡せる向こうの方までずっと稲田で、走っても走っても続いています。そしてその上には、高い空がどこまでも広がっています。
 
穏やかだなぁ
 
空が広い、これだけでこんなに心がホッとする。
これは地元を離れて初めて気がついたことでした。私の地元は田舎で高層の建物は繁華街くらい。景色を遮るようなものはほとんどありませんでした。
今の住まいは坂がおおい地域でアップダウンが多く、空の面積が狭いのです。
私は住んでいてもどこか息苦しさを感じていました。
実家に帰ってホッとするのは、故郷だからだけではなかったのです。
 

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 ↑ イメージです

 

車が走っていたこの辺りは平野が広がっており走っても走っても平坦なのです。
こんなに美しい景色は、息子に見ておいて欲しい。
そう思って、声をかけました。
「show、あれ見て。田んぼだよ、た・ん・ぼ。」
「たんぼ? たんぼってなに?」
「お米を作るところだよ。ほら、稲がいっぱい。
   今、きみどりの稲が金色になったら、お米が取れるんだよ。」
「おこめー!」
ごはんが好きなshowはすこし興奮気味に言いました。この話だけでは理解するのは難しいでしょうから、収穫前の稲の穂をみせてあげらたらいいな、とほほえみました。
 
帰りの空にはうろこ雲。 
これも教えてみました。大好きなくうくうの絵本にもいろんな雲の絵が出てきます。
去年も語りかけたけれど覚えていないよね?
でもこうやって、彼のなかで原風景が作られていけばいい。
秋の空気と共に実りがやってくること、だんだん知って欲しい。
母の思いは次々に浮かんで、天高く広がって流れていくのでした。

www.rainbowshow.net

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