ねぇ、おかーさん、サンタさんは シカさんにのって やってくる？
窓から日が落ちていくのを見ていたしょうが振り返って言いました。
どうやらトナカイとシカを間違えているようです。
サンタさんが乗ってくるのはトナカイさんだよと教えてあげました。
ーートナカイさん？
トナカイを見たことのない息子はピンとこないようです。
たしかに絵本でもクリスマスの本でしか見ることはほとんどありませんね。
違いを教えようと考えて、うーーーん、、
ツノ、おおきなツノがあるのがトナカイさん、かな？
この説明が正しいのか少し迷いながらも伝えてみました。
ツノも知らないしょうのために、今度はツノについて頭をひねります。
ツノってのはねー、、うーーんと、、とイメージが浮かぶような言葉を探していると、
ーーおにさん？！
しょうが先に言いました。
そうそう、おにさんもツノが生えているね。
トナカイさんのツノは、木の枝みたいに ひろがって大きいんだよ。
しょうにトナカイさんの姿が浮かんだかしら？と思いつつ、ツノという言葉を童話で出てきた鬼からイメージできたことに私は驚いてしまいました。
ーートナカイさんは、とぶ？？
意識がちがう方に飛んでいた私に、今度はビックリする質問が飛んできました。笑。
そりゃそうだ、トナカイと言えば、サンタさんのソリと一緒に描かれているのだからお空を飛べると思ったようです。
ーーシカさんは、とぶ？？
んーー、さっきトナカイさんもシカさんも仲間だよ、なんて言ったから飛べると思っちゃった！
トナカイさんが飛べるのは間違ってない、、いや本物は飛べないけど。でもシカさんが飛ぶ想定は聞いたことないしなぁ……。
苦し紛れに、私は話し始めました。
シカさんは飛ばないなぁ。
トナカイさんは……飛べる、、かなぁ、、
ーーうん！だって、ぷれぜんと！ サンタさんと くばるんだよ。
嬉しそうな顔をして一生懸命に説明します。みんなにプレゼントを運んでくれるんだから飛ばないわけにはいきません。
でもこのまま納得させると、動物園でトナカイさんを見て飛ばないことを知ったらショックを受けるかもしれません。
トナカイさんは飛べるね。
でもね、とくべつな トナカイさんだけ。サンタさんといっしょにいる トナカイさんだけなんだよ。ほら、お歌があるでしょ、、
と語りかけ、歌い始めるとしょうも一緒に歌います。
真っ赤なお鼻の トナカイさんは〜
ひと通り歌って満足したようで、トナカイさん談義は終わりを迎えました。
いろんな質問が浮かんで、それがとても子どもらしくて、今の歳ならでは、なんだろうなと幸せな時間でした。
息子と一緒にからだを揺らしてXmasソングを歌っていると、本当に空からサンタさんが降りてきそうな気がしてきます。
今日も楽しかったかなぁと思いながらお風呂で体を洗っていると、しょうは私に話しかけます。
ねぇ、おかーさん、トナカイさんは なんて 鳴くの？
シカさんも 鳴く？
やっぱりトナカイさん話は尽きないようです。まだまだ私にはじょうずに答えることができません。
鳴くのかなぁ〜？
んーー、こんど 聞いてみようか？
手に取った泡をしょうのお鼻にちょんと付けてみました。
「トナカイさーん、どうやって鳴くんですかー？ 白いお鼻のトナカイさーーん！」
きゃははーと笑っていつものように泡合戦になりました。
トナカイの鳴き声、知っていますか？
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